このエントリーに登場した鼻毛カッターが、ぶっ壊れました。
使用しようと電源を入れたところ、しばらくはふつうの回転速度を魅せていたのですが、急に超高速で回転し始めたかと思ったら急停止し、二度と動かなくなったのです。ボディに刻まれた「Dandy Goods」の文字が哀しい。
鼻毛をたくわえたまま外出するのは抗菌効果もあってよいとは思うのですが、トレードオフで「鼻毛クソ野郎」の称号も得てしまうので、急きょ鼻毛カッターを購入しました。
モノの存在は目的の属性です。
鼻毛カッターは、おもに男性の鼻毛を切るために、この世に生を受けた存在です。そう考えると残酷でもあります。生まれた瞬間から、おじさんの鼻の穴を出たり入ったりすることが決まっているなんて…。
この Panasonic の鼻毛カッターは、もしかしたらPanasonic Beauty シリーズの生産ラインのすぐとなりで生を受けたのかも解りません。そして、自分が存在するレーンと Panasonic Beauty のレーンとの間は、ほとんど離れていないのかも解りません。
しかし、モノとしての目的を達成しているシチュエーションを想像すると、レーンとレーンの間には暗く深い溝が横たわっていることでしょう。
鼻毛カッターがおじさんの手でおじさんの鼻の穴を物理的に出たり入ったりする一方、ファンシーな部屋でなにやらスチーム的なものを放出して本格エステ体験を妙齢の女性に提供する Panasonic Beauty シリーズ。絵面的にも差分が圧倒的すぎる。
もう一度、わたくしはわたくしが購入した鼻毛カッターをじっと見ます。
まだほとんど使っていない鼻毛カッターが、哀しみを帯びてきました。