日々の仕事の中でも「なんか議論が噛み合ってないな」と思うこともままあるわたくしですので、この本を手に取るのは自然です。
この本のタイトルには「議論」とありますが、わたくしが思っているような、いわゆる会議体のような「議論」というより、言説や論述のような「議論」にスポットを当てた内容でした。そのような「議論」のダメさ加減をはかり、意味のある「議論」なのかどうかをどのように見抜いていくかが書かれてあります。
とてもおもしろかったです。読んでいてこんなに興奮してくるのもひさびさでした。
この本では、5つのチェックポイントを用いて、これは「正しい議論」だ、という選択強化の方法ではなく、これは「ダメな議論」だ、という消去法をとって、議論の有意性をはかっていきます。5つのチェックポイントを通過できない「議論」は、妥当性に欠けるものとなります。
この5つのチェックポイントは汎用性が高く(当然ですが)、「議論」だけではなくあらゆるリテラシーに応用できそうに思いました。チェックポイントを通過できないモノは真剣に取り合うだけムダであり、逆に自分が何かを主張する際にこのチェックポイントを意識すれば相当に説得力が増しそうです。
では、5つのチェックポイントとはなんなのか。気になる方は、ぜひ本書をお読みください。
ただ、本書にもあったと思いますが、このチェックポイントを「ふつうの雑談」に応用してしまうとマズそうです。
それをやってしまうと確実に友だちは減ると思うので、お気をつけください。