仕事に行く途中、唐突に『早見優のアメリカンキッズ』のテーマが脳裏をよぎりました。理由は解りません。
この曲を聞くと、小学生のころの夏休みを思い出します。
夏休みの平日は早く起きて『早見優のアメリカンキッズ』を観て英語に親しみ、6:30から始まるこども会のラジオ体操に行き、朝食を済ませた午前中は夏休みの宿題をし、その後小学校のプールに出かける…。なんて素敵な夏休みは、1日たりとも過ごしたことはございません。
もそもそと夕方ごろ起き出し、テレビを観たりゲームをしたりしているうちに夜が明け、まったく英語の理解できない『早見優のアメリカンキッズ』をなんとなく観て「ガリソンって名前の人形が出てくるけど、ガソリンの間違いでは…?」と思い、こども会のラジオ体操にイヤイヤ行き、帰ってきて寝る(朝8時とか9時)、というのが常でした。プール行ってない。
こんな小学生いま考えると異常ですし、大学生の夏休みのほうがよっぽど健康的です。いや、こんな時代だ、2017年の小学生にとってはこれもスタンダードなのかも解らない。
しかし、この生活リズムには理由があります。大人たちは「午前中の涼しいうちに夏休みの宿題を済ませなさい」と言っていました。
であるならば、夜間のほうが日光が出ていないので涼しいですし、その時間も長いです。また、小学生のころに住んでいた家が特殊(カラオケスナックの2階)で、夜がうるさくて昼が静かだったこともあり、昼のほうがよく寝られるのです。夜に起きていたほうが合理的でした。
そんなワケで、夏休みは完全に昼夜逆転の生活をしていました。
夜中、夏休みの宿題であるコンクールに提出するポスター作成や自由研究の課題作成に臨むべく絵の具のグッズを準備し、その傍らにその辺の自販機で買ってきたアイスコーヒーを置いたりして気合いを入れ、「歴史は夜作られる」と言いつつ創作活動に勤しんでいました。
イヤな小学生だったな…。なに気取りだったんだろう…。
さて、そんな『早見優のアメリカンキッズ』、英語の内容はさっぱり解らなかったものの、「中学生になって英語を勉強したら、この『早見優のアメリカンキッズ』でやっていることも解るようになるんだろうな」と思い、近い将来の自分に期待する小学生の松岡少年がそこにいたのも確かです。
「中学生になったら自動的に英語ができるようになる」という誤りに気づかぬまま。いっさい英語のできない高校生の姉を目の当たりにしながらも。
わたくしが中学校に上がる直前に『早見優のアメリカンキッズ』が番組終了を迎えるのは、そんな希望に満ち満ちた小学生時代から数えて、そう遠くない未来のことでした。