すべての物事の名称はどのようにして与えられたのかを知りたがったいるわたくしですから、手に取るのは自然です。
主に絵画や書物の「タイトル」の起こりから、とにかく「タイトル」をあらゆる角度で論じています。「タイトル」とはなにか。「タイトル」に関しての熱量がすごい。でも確かに気になる存在です。
そして最後にその結論を求めます。あたかも大冒険を終えて、スタート地点に帰ってきたかのよう。その結論はとても普遍的であり、すとんと腑に落ちるものとなっていました。
結論はあまりにもスッキリしすぎていて、「ここまで論じてそれ?」という気もしましたが、しかし論じている内容を矛盾なくキレイにまとめるとこの結論になるのだな、と思います。
「タイトル」と「名前」の違い、「タイトル」を付けられるものと付けられないもの、「タイトル」の有無で絵画はどう変わるか、「タイトル」はどのように類別されるか、などがていねいに細かく書かれています。ただ、文章に少しクセがある(二重否定が多く、ワザと解りづらく書いてる?)ので、読みづらさはありました。
この本での結論が「タイトル」の意味であることを念頭に、あらゆるものにつけられているタイトルを見ると、世界は変わって見えるでしょう。ちょっとボリュームはありますが、オススメです。
あと、この本はガチの芸術史とも言えるような気がしたので(わたくしまったく興味なし)、そちら方面に興味があるかたもオススメです。