論理学を深めたがっているわたくしですから、この本を手に取るのは自然です。
青少年向け(小学校6年生くらいがターゲットのもよう)に書かれている本ですが、論理学を学ぶには充分な内容でした。世界は言葉で表現しなければならない以上、こどもであっても(こどもであるから)論理を学ぶことは必要であると、わたくしも思います。
論理学はいっけん当たり前のことで誰でも使いこなせると思ってしまうのですが、扱う話題に左右されると論理の解釈を誤ってしまうことがあります。こどものうちから論理の根幹を教育し、そういったことを防ぎたい、そんな筆者の思いが強く感じられました。
事例がけっこう教科書的な内容で(太郎さんとか一郎さんとかが大量に出てきたり、「考えてみなさい」と言われたりする)、幼少の頃を思い出してほんわかしましたが、急にガチの論理記号式が出てきたりもして、そこはウケます。あとかなり古い本のようで、ソビエト連邦や社会主義国批判、現在ではちょっと書けないワードとかも出てきました。青少年向けだからか古い本だからか、ひらがなと漢字のバランスも独特。
一点だけ。「小学6年生のみなさんだったらわかります。考えてみなさい」みたいに書かれた内容が、わたくし(35歳成人男性)にはちょっと難しかったです。「小6ならいける」と判断した論理的理由がわからなかったですね…。
基礎的な論理学はリテラシーにも関わると思いますので、情報に溢れる時代ではより重要だと思います。この本でほんわかしながら学ぶのも、よいかと思います。