生命保険に加入したのは、八重洲のエクセルシオールカフェでした。
ある大手の保険会社の営業の女性(若い)に会社で声をかけられ、後日に妻の同席のもと、エクセルシオールカフェで加入手続きをしたことがありました。およそ10年くらい前のことです。結婚する直前ということもあり、医療保険や生命保険に加入する必要があるかなと考えていたのです(保障内容が微妙だったのでいまは解約してしまいました)。
エクセルシオールでコーヒーを飲んだりしながら、営業の女性(若くない)の手ほどきを受けもろもろの書類を作成します。やがて書類は完成し、わたくしたちはエクセルシオールを出ることになりました。
「今日はお忙しいなかお時間とっていただき、ありがとうございました。お会計はこちらで済ませます。出口までお見送りしますね」
スーツ姿の営業の女性(若い)が立ち上がり、わたくしたちをエクセルシオールの出入口まで見送りにきました。「わざわざいいのに」と思いながらも、断る理由もありません。
「ありがとうございました!」
エクセルシオールの前で、こちらに深々とお辞儀をしています。
外堀通りを左に歩きはじめたわたくしたちと入れ違いに、おじさんひとりとおばさんふたりのグループがエクセルシオールへ入っていきます。
「3人なんだけど。タバコ吸える?」
「えっ、あの…違います!」
「違うの!?」
背中で聞いている感じでは、見送りにきた保険会社の営業の女性、完全にエクセルシオールの店員と間違えられています。それにしても「違います!」て。
「そりゃ間違えられるわ」とは妻の弁。そりゃ間違えられるわ。