度を超した足の臭さは、ときに成人男性を悲しませます。
あとから解ったことなのですが、仕事のお昼休みに職場の人たちと居酒屋みたいなお店の掘りごたつ式の座敷で食事をした際、となりに座っていたおじさんの足が臭かったのです。
入店時には気づかず、ただ、座敷の手前にあった靴箱がとてつもなく臭かったので、その臭いが流れてきたのかなと思いました。
わたくしたちは「なんか臭いですね」「そこの靴箱ですかね」なんて言いながら、同行していた先輩は自分の足の臭いを嗅いで「オレかなあ……。いや、だったら仕事中も臭いハズ」とつぶやいていました。
そうこうしているうちにとなりに座っていたおじさんが退店し、やがて臭いがおさまりました。靴箱が臭かったのも、そのおじさんのクツがそこにあったからなのでしょう。
おじさん、なんかごめんな。
食事を終えてオフィスに戻る間に「足が臭かったの、となりの人でしたね」と話していると、前述の先輩はだんだん声のトーンが落ちてきました。
「となりの人だったけど、オレああいう臭いダメなんだよな……。まだ臭いに苦味があるのは大丈夫なんだけど、最初は納豆食べてるのかと思って、でも食べてないし……。ああいう納豆みたいな足の臭いダメなんだよな……。ニガイのは大丈夫なんだけど……。はぁ……」
先輩がいまになってショックを受けて悲しんでいて、わたくしはその「足の臭い→苦味だとOK/納豆だとNG」という内容も相まって、申し訳ありませんが腹を抱えて爆笑してしまいました。「ギャハハハ」って笑った。