心霊現象や心霊体験、超能力などを「反」「半」「汎」のみっつの「はん」にわけて、科学的に考察した本です。
そもそも「霊が存在する」の“存在”とはなにか、といった哲学から、それらの超常現象を「役立つかどうか」に落とし込むまでを書いています。
超常現象を信じる信じないといった個人や団体の主観に基づくと水掛け論になってしまい結論は出ないこと、それらの肯定派も否定派も客観的にみて誰もが超常現象を利用できること、つまり「その超常現象は意味のある」状態を目指すべきではないか、という点が興味深いです。
「意味がわかる」ことは事象の終着点です。
その上で、我らがタモさん(タモリさま)は「音楽に意味なんか要らない」「重苦しい意味の世界」と、「意味」を否定していますが。意味の有無という論理を超越したメタな世界(意味という概念のない世界)を論じるタモさまは、もう神の領域ですね。
話が逸れましたが、この本の筆者は超常現象を否定しているわけではなく、以下の実験結果を示しています。
- ESPカードや図を用いた透視実験は偶然でよりも優位な確率で成功していること
- 「温和な映像」「恐怖の映像」がランダムに表示される実験において「恐怖の映像」の直前に被験者が緊張状態になる確率が優位であること
- 超能力は周囲の環境に依存し発現確率が変化すること
いずれもわずかな確率の変化であり、日常生活に利用できるほどではないようですが、超常現象を否定することはできないそうです。
「超常現象はあるともないとも言えない」「なにをもって“ある”とするかによる」ということでしょうかね。
「本気で科学する」というタイトルですが、あくまで平易な内容で読みやすかったので、興味のあるかたはお読みください。