インフルエンザの季節がやってきました。
そこで取り沙汰される、「咳エチケット」というのがあります。もっとも一般的なのがマスクをすること、でしょうか。
(参考)厚生労働省 咳エチケット
さて、このページの3つ目にある「上着の内側や袖(そで)で覆う。」は、「エチケット」としてどうなのか。
飛沫感染を防止するためには効果がありそうですが、「エチケット」として考えると弱い。カンタンにいうとなんか汚い。
「エチケット」とはいうものの、「咳エチケット」はその行動に実益を伴う必要がありそうです。むしろ実益優先といえるでしょう。
わたくしは、咳をするときのポージングとしてよくある「アゴ付近でグーを作る」のほうが、「上着の内側や袖(そで)で覆う。」よりもエチケット感があると思います。
エチケット感があるのに、「咳エチケット」に該当しない「アゴ付近でグーを作る」のかなしみ。
たしかに周囲への飛沫感染を抑止することはなく、アゴ付近にグーがあるがために親指/人差し指も飛沫で汚染されます。汚染されるのがだいたい利き手なのもマイナスポイント。よく考えるときみはなんなんだ。
過去から現在へ受け継がれるものには、大きく2種類あると思います。
ひとつはローコストでハイリターンなもの。
もうひとつは無意味でも体裁がよいもの。
「アゴ付近でグーを作る」が実益優先の「咳エチケット」にノミネートされなかったいま、上記の後者であることが白日のもとに晒されました。
当然「咳エチケット」にノミネートされると思っていた「アゴ付近でグーを作る」なのに、「咳エチケット」が「エチケット」とは名ばかりで実益を優先してしまった。それよりもいっさいエチケット感のない「上着の内側や袖(そで)で覆う。」が急に現れ、「咳エチケット」の3つ目にしれっと収まっている。
「アゴ付近でグーを作る」、心中穏やかではなさそうです。
やがて「アゴ付近でグーを作る」は廃れていくのかも解りません。「アゴ付近でグーを作る」の描写が、「なにこのポーズ?」になるのも時間の問題となりそうです。
わたくしたちはやはり、「常識」という脆弱な基盤の上で生活しているということを、改めて意識する必要がありそうです。