混雑しているエレベーターに乗った際、自分以外が全員若い女性で、あまつさえもみくちゃにされたことってありますか? わたくしはあります。
それは、ファイナンシャルプランナーの試験を受けに行った際のできごと。
試験開始時刻が迫るなか、神保町かどこかの試験会場に向かったわたくしは、エレベーターを待っていました。わたくしの前には、何人かの女性がいました。
エレベーターのトビラが開き、わたくしは前の女性と距離をとりつつゆっくりとエレベーターに乗り込みます。わたくしのような小汚いおじさんが、若い女性に近づいてはならないのです。
人間は通常、エレベーター内に入ると踵を返し、出入口から外側を見ます。そこではじめて気づきました。
わたくしの後ろには、めっちゃたくさんの若い女性がエレベーターを待っていたのです。
むちゃくちゃな勢いで乗り込んでくる、たくさんの若い女性たち。多少の距離をとったわたくしの気遣いもむなしく、勢いに負けもみくちゃとなりました。
あれっ、なんかこれ、大人専用の活動写真等で観たことある感じのやつだ…!
わたくしの静かな興奮を無視し、高低の移動を効率的に実行するための役割だけを与えられたエレベーターは、男女平等にわたくしたちを上階へといざないます。
試験会場が何階だったかは忘れましたが、10階よりかは低層階だったと思います。すなわち、エレベーターに乗っている時間は大した長さではなかったハズ。
なのに、とても長く緊張が続いていたと記憶しています。ここにこうして、文章にするくらいですから。
「ファイナンシャルプランナーの試験は若い女性が多く、エレベーターでは若い女性にもみくちゃにされる」。
そんなことを吹聴して回ったのが災いしたのか、試験結果は不合格でした(正確には学科が不合格で実技が合格の「一部合格」という状態)。
「やった、また試験の続きを受けに行こう! そして若い女性にもみくちゃにされよう!」
犯罪者の発想です。
後日、学科試験を再受験した際の会場は、なぜかおじさん・おにいさんが多かったです。なんなんだ。
そんでめでたく合格しました。なんなんだ。