日常生活に、急に宇宙が割り込んでくる興奮。忘れられません。
デジタル体重計をセットアップするとき、使用地域がざっくりどのあたりかを問われます。沖縄、北海道、それ以外、といった、ざっくりした区分け。
これは、地球上の重力が南北の位置によって微妙に異なることに由来しています。
引力は物体中心に等しく働きますが、地球上における重力とは引力と遠心力の合力を指すため、地球上どこでも同じではありません。自転による遠心力が強い赤道付近は重力が弱く、そうでない極付近は重力が強いということになります。質量が同じでも、「重さ」は地球上で変わるのです。
よって、赤道から極付近に移動するにつれ物体は「重く」なります。体重100Kgくらいであれば、日本の北端/南端で100gほどの差が生まれるようです。
錦糸町のヨドバシで買ってきた体重計を、自宅であぐらをかいてセットアップしている途中、急に割り込んでくる「引力」「遠心力」「自転」「極付近」そして「重力」といった宇宙。興奮を禁じえません。
ああそうか、いまわたくしは錦糸町のヨドバシから半蔵門線で帰ってきて、自宅でちょっと放屁をしながら体重計に向き合っているただの日常を送っているけれど、自宅の乗っかっているこの地球はむちゃくちゃでっかいのに高速で回転し、もっとでっかい太陽の周りを365.2422日かけて回っているのか。そしてその太陽はもっともっととつもなくでっかい銀河の流れに乗って回転し、その銀河はむちゃくちゃな速さで宇宙の中心から離れていっているんだ。しかも宇宙は11次元とかで構成されているなんていうし。
すなわち、わたくしは、宇宙の一部だったのです。
スピリチュアルな人たちや宗教者のみなさんは特定の行為行動をするあいだに「宇宙を感じる」そうですが、わたくしはデジタル体重計をセットアップしたときにいちばん「宇宙を感じ」ました。しかも不意に。
つまりわたくしの論理上、スピリチュアルな人たちや宗教者のみなさんがおこなっている特定の行為行動の内訳は「デジタル体重計のセットアップ」ということになってしまいますが、そうではないと思っています。なんかもっとこう、深遠なるものだと思います。知らないけど。
いすれにせよ急に割り込んでくる宇宙、どうしても忘れられません。