比較的最近よく聞くツッコミとして、「そういうとこやぞ!」というのがあります。
ツッコミされる人間に落ち度があり、その落ち度を弁解しようとするとその論理自体にさらなる落ち度を見抜かれ、「そういうとこやぞ!」とツッコまれる。ある種、「ツッコミの天丼」です。
ボケをツッコミ側が紡いだ言葉でツッコむワケではなく、ボケ(あるいはボケと認識できる行為/行動)そのものをツッコミとして利用している点が新しいです。ツッコミとしては最もローコスト・省エネルギーであり、かつ第三者の共感も得ることで爆発的にウケをとることができます。メタ的に笑いを再定義するこのスタイルは、形而上学的ですらあります。
その反面、何も言葉を紡いでいない、発想なきツッコミはその仕事の放棄とも言え、ツッコミ自体を第三者に委ねている点に眉をひそめる識者もいるハズです。また、一度「そういうとこやぞ!」と言われてしまえばもう、それ以上の弁解が不可能である点は、言葉の暴力と捉えることもできます。
この「そういうとこやぞ!」のツッコミ、わたくしは善光寺で受けました。
旅行先の長野。「牛にひかれて善光寺参り」と言われるくらいですから、ワイドビューしなのに乗ったわたくしも善光寺参りをいたします。
立派な本堂。「マジ卍」とはよく言ったものです。
本堂の中に入り、せっかくなのでおみくじを引きます。200円のおみくじが3つと100円のおみくじが1つありました。
わたくしは「ここからは! 年に一度の! スーパーおみくじタイム!」と高らかに宣言し、「100円のはつまらないから、200円のを3つ引こう」と、妻と合わせて1,200円をおみくじに投入しました。1,200円も使ったのです。これはもうオール大吉でしょう。
いでよおみくじ! そして願いを叶えたまえ!
上段のおみくじの金運「何かと物入りです。出費は的を絞って最小限に。」
中段のおみくじの金運「貯蓄を増やせ」
下段のおみくじの金運「なかなか貯まらない 生活を見直せ」
神仏から一斉に受ける「そういうとこやぞ!」のツッコミ。1,200円も使うんじゃないよ、とのこと。
各々のおみくじの個別項目の記述はワリとバラついていましたが(同時におみくじとは単なる確率そのものであると確信しましたが)、この「金運」だけはベクトルが合っていました。なんなんだ。