太平洋戦争終了からの激動の昭和について、筆者の口語体で書かれています。
わたくしは昭和におきた事件・事故について書かれているのかなと思いこの本を購入したのですが、東京オリンピックあたりまでの政治史がメインといった内容でした。
期待はずれかなと思い読み進めていったのですが、これがとてもおもしろかったです。
終戦からGHQの占領政策、サンフランシスコ講和条約を締結し日本の主権回復までがとくに詳細に書かれており、日本の現在のすがたができてゆくまでがよくわかりました。敗戦による飢餓状態から朝鮮戦争特需、安全保障問題、高度経済成長と、国民のベクトルが同じ方向に向いてたんだな、と。
マッカーサーと昭和天皇の話し合いについても、当時のメモがわずかに残っている範囲で書かれており、昭和天皇はすごいお方だったんだな、と率直に思いました。マッカーサーには天皇を戦犯として裁く意向はそもそもなかった、マッカーサーと昭和天皇が仲良しになりその思いがさらに強くなるようすも書かれています。
地歴公民で勉強したハズでしたが、主権回復時の「全面講和」「単独講和」問題、冷戦における沖縄の地の利とか、やっぱり歴史は大人になってからじゃないとおもしろさがわからないなと思いました。
口語体で書かれているので読みやすかったです。