#014 夏が来れば思い出す
松岡 (2004年10月16日 03:29)
今から10年位前の夏休みだった。明け方前に部屋に姉といると、表から地面を打ちつける、強い雨足に伴った音が聞こえてきた。夏だから窓を開けていて、外の音がよく聞こえたのだ。
その日は雨の予想などなかったが、暑い夏に雨はありがたい。僕は明け方近い時間ということもあり半寝の状態であったが、姉に「あ、雨降ってきたね」と告げた。
姉は「え、雨!? 星出てるのに?」と驚きながら窓に近寄った。僕もやや驚き、ともに窓に近寄った。そして二階から外を見た。
そこには、オッサンが電柱に放尿している光景しか、なかった。
姉はチカラなく「雨、ねぇ…」とつぶやき、部屋から立ち去って行った。
僕は僕のもつ UNKO のような聴力に、ただただ閉口した。