#619 : 「Carry on Power!」
07/09/2004(fri)
大学の音楽の授業のテストが、「学生の前で音楽を披露する」だった。
思い思いの音楽を、学生にぶつけるのだ。歌でも演奏でも何でもいい。そのテストが、今日行われた。
学友2名と僕は井上陽水氏の名曲『少年時代』を歌うことにし、楽譜やCDを周到に用意したのだが、さすがに偏差値2の大学(「あ」と「め」の違いが解れば即入学)である。僕らのような学生は少数であった。
用意のしていない学生が10名程度黒板の前に並び、『大きな古時計』をアカペラで熱唱である。「今はもう 動かない その時計」。僕の時間も一緒に凍結させてはくれないだろうか。
また、6名程度の学生が黒板に並び、『カエルの歌』を輪唱し始めたのもなかなか趣深かった。「カエルの歌が、でしょ?」「カエルの歌が」「カエルの、カエルの歌が、カエ」。歌いだす前よりも、ハタチ前後の男子学生が「カエルの歌が」を連呼しつつ打ち合わせていたことが面白かった。
だが、学生にぶつける音楽を用意してきた学生も、己のワールドを展開していた。
「シュミは秋葉原を闊歩することです!」といった風情のひょろめがね氏は、持参したCDをおもむろに流し、CHEMISTRYの『PIECES OF A DREAM』を歌いだした。「♪はーんぱーな ユメの ひとカケーラが」の「が」で見事に声が裏返り、教室中の生徒たちが「半端なのは、まぁ、キミだよね」という表情を隠しきれてはいなかった。
別の「シュミは格闘技を観戦することです!」といった風情のがっしりめがね氏は、「タイトルは知らない歌なのですが、歌います」と言い、教室の窓ガラスが割れんばかりの声量でアカペラで歌いだした。途中で「Carry on Power!」と叫んだが、本当に何の歌か解らなかった。恐らくはオリジナルだったのではないか。普通に笑ってしまった。「Carry on Power!」は流行るだろう。
さて、他者の批評ばかりしていても仕方がない。さて、僕らはというと。
「♪ゆめがさめー よーるのーなかー なーがいーふーゆがー」「ガタタ」「ガタタ」
歌っている途中で、学生数名がご帰宅された。