中学生のころは本当によくテレビを観ていました。
民放各社の1日のタイムテーブルを完全に記憶していましたし、もちろん改編期の特番や新番組はおさえたうえで、テレビ局各社の人事(編成局長に誰が就任するか)とかも把握していました。
しかしながら、テレビ東京には疎かったのです。
テレビ東京で放送されていた番組でいちばん観ていたのは『テレコン・ワールド』あるいは『ギルガメッシュないと』くらいなもので、なんというタイトルのどういう番組が何時からやっているか、それらをまったく把握していなかったのです。
「テレビ東京は把握するに値しない」、これは申し訳ないのですがそういう思い上がりがあったのは事実です。
そんなある日、同じくテレビ好きのUくんのある発言で、テレビ東京を俄然注視することになりました。
Uくん「テレ東ってさ、なんか照明暗くない?」
それだ!
テレビ東京の番組全般に抱いていた違和感の正体。
テレビ東京の番組にどことなく漂う貧乏くささ。
そしてテレビ東京に対するわたくしの思い上がり。
すべてのモヤモヤはUくんの「なんか照明暗くない?」という発言で氷解しました。
たしかに、テレビ東京の番組は全般的に照明が暗いのです。画面全般が暗く見える。
中学生当時の1996年は地上波はアナログ放送で、どのチャンネルも現在ほどの画質のよさはなかったのですが、それでもテレビ東京の暗さは際立っていました。
そういう視点でテレビを観ると、テレビ東京の番組の味わいかたが変わってきます。あの番組もこの番組もやっぱり照明は暗いのか、気になって観まくってしまいました。
禁断のUHF放送(千葉テレビやテレビ埼玉等)にも手を出し、「各局の照明の暗さ」を確認し始めるのも、Uくんのこの発言のすぐあとです。
Uくん「あとテレ東ってモノラル放送が多いから、ステレオからモノラルへの音の調整に失敗してCM明けが拍手で始まるときに音が割れて音がでかくなるよね。あれ面白い」
なんなんだ。Uくんマニアックすぎるだろ。言わんとしてることは解るしたしかに面白いけど。