高校の国語の授業中、難読漢字を順々に生徒に読ませる局面がありました。
「じゃあ次、Oくん、読んで」と先生に当てられたOくん。『生簀』という漢字を、ぶっきらぼうに読みます。
Oくん「いけにえ」
先生「うん、いけす、ね」
『生簀』と『生贄』、たしかに似ているし、こうしてディスプレイに出てくる文字で見るとほぼ同じ。
でも、ぶっきらぼうに、かったるそうに、「さも知っている」という体(てい)で間違えちゃった。
教室に響く「いけにえ」という言葉。よりによって「いけにえ」。
この状況に鑑み、なんと象徴的な言葉なんだろう。
難読漢字をちょうどいい具合に間違え、授業成立の『生贄』となったOくん。ぶっきらぼうな言いかたも絶妙。テレビ番組的に考えると演出として美味しい。
こうして考えると、あのできごとは仕込みだったのかも解りません。