本当かどうかは解りませんが、戦中だったか戦後まもなくだったか、「波浪注意報」を「ハロー注意報」だとカン違いしていた人が多かったとか。
つまりこれ、「波浪注意報」が発令されたときにそれは「ハロー注意報」だと誤認し、米軍が「ハロー」と言いながら攻めてくる思っていたそうです。ほんとかよ。
とはいえ、当時はラジオ放送が主流ですから、文字ではなく音として解釈した場合、これはうなずけますね。そもそも「波」のことをあまり「波浪」って言わないし。
わたくしも小さいころ、「並の強さの台風」を「波の強さの台風」だと思っていました。
むかしは「小型で弱い台風」とか「中型で並の強さの台風」などと、過度に発達していない台風についても大きさ・強さを解りやすく表現していました。
現在は、台風を過小評価しないないために過度に発達していない台風についてあえて言及しなくなりましたが(「小型で弱い台風」だと油断する可能性があるため)、この「並の強さ」がわたくしにとってはクセモノだったのです。
「『波の強さ』とは? 最大風速とかがあまり大きくないけど、『波が強い』のか? いや、波って高い/低いなのでは? いや、ちょっと待て、風が強くなければ波も強くないハズ……」
混乱が混乱を呼びます。「波の強さ」、矛盾していないか。
「ああ、『並盛り天丼』の『並』ね! 『並の強さ』ね!」
定食屋が、気象の言葉の手助けになることもあるのです。
ラジオ放送が主流だから意味を取り違えていた蓋然性が高い「ハロー注意報」と、テレビ放送が主流である当時のわたくしの誤謬をしれっと同列において、今宵は筆を置きます。