わたくしはシステム系の仕事をしています。
パソコンでエクセルとかデータベースソフトとかで あーでもないこーでもない とやっているのですが、わたくしはアナログ野郎なので、紙に印刷して、それを見ながら作業することが多いです。
で、データベースを検索しようと、いくつかの要件が書いてある印刷した紙に目を落とすと、そこに「在る」んですよね、「ちぢれ毛」が。
まず、さっきまでそこにはちぢれ毛はなかった。印刷したての紙だ、ちぢれ毛がプリンターから出てくることはない。ちぢれ毛が急に紙の上に発生する要素(紙の上にタマキンを載せる等)も無に等しいーー いろいろな「why」がわたくしの脳裏を巡ります。
マイクロメートル単位の時空の特異点が地球を光速の70%くらいの速度で通過しちぢれ毛が発生した、そう考えるのが穏当であり自然ですね。
つぎに、仕事中なのに「データベースの検索条件は、この印刷した紙に書いてあるとおりだから、そうそう『SELECT * FROM TAMAKIN WHERE ROWNUM <= ちぢれ毛』ねって オイ!」ってやらなければならないところがありますね。ちなみにここでの * は、SQLにおけるワイルドカード(全列抽出)を意味していて、爆心地(*1)のことを意味しているワケではありません。 わたくしは業務要件や検証要件に基づいたデータを抽出したいだけなのに、それが書いてある紙の上に「ちぢれ毛」が「在る」のです。本当にカンベンしてほしい。わたくしはちぢれ毛の何を調査するのか。
「突然のちぢれ毛」というのには、誰もが慣れていて、誰もが慣れていない。今後の人生において、わたくしを含めたすべてのかたがたが、ちぢれ毛に一喜一憂するのだと思います。
たった1本のヨレた毛に、あれだけ存在感がありここまで動揺するというのも、なかなか興味深いところです。「山椒は小粒でもぴりりと辛い」の精神ですね。
そうです。人間はみな、「ちぢれ毛」に「成りたい」のかもしれません。
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(*1)爆心地…包み隠さずいうと、肛門のこと