コンビニエンスストアは、その特性上、商品は原則的に「最終形」で売られていると思います。
売られている食品や雑貨はその購入意図が解りやすいですし、単品で用を足すものばかりです。多目的な「材料」となりうるものの商品数は、ホームセンターやスーパーマーケットに比較するとごくわずかと言えるでしょう。
その中で異彩を放つのが、「別売ドレッシング」でしょうか。
サラダのお供として販売されている別売りのドレッシング。1回使い切りの状態でパッケージされ、消費者の好みに合わせ多種多様に陳列されています。
それ自体は「最終形」ではあるものの、サラダ類とセットで購入するようデザインされているといえます。
これを、ただひとつだけ買ってみる。とてもヤバそうです。
以前、飲み会の会費を払おうにも一万円札しか持ち合わせていなかった同僚が「コンビニでおカネ崩そうにも、買いたいものがない」と言っていたので、「別売ドレッシングだけ買うのはどうか。すべての商品の中で最も安いと思うし」と現実感を持ってサジェストしたのですが、無下にされてしまいました。
それだけ買ったらやべえヤツになるからです。
前述したとおり、コンビニの商品は購入意図が明確なものばかりです。
すなわち、「なぜ別売ドレッシングをただひとつだけ買ったのか」のアンサーとなる購買行為を店員さんに魅せつければ購入意図は明確化し、やべえヤツにはならないのではないでしょうか。
シチュエーションを例示し、検討してみます。
ドレッシングの空容器を携え入店し、慌てた感じで別売ドレッシングをだだひとつだけ購入。
「あ、家にドレッシングがあると思ったらなかったんだな」というアンサーになるので、かなり有用だと思います。
フタの開いたサラダを左手に、割った状態の割り箸を右手に入店し、慌てた感じで別売ドレッシングをただひとつだけ購入。
「あ、別売ドレッシングを買い忘れたんだな」というアンサーになるので、これも有用だと思います。
入店するや否や別売ドレッシングをただひとつだけ購入。直後にレジカウンター前で開封し、ゼリードリンクのように飲用。クチの周りを手の甲で拭って「ごっそさん!」。
「あ、なんかもう そういう人なんだな」というアンサーになるので、最悪これもアリだと思います。
いろいろ考えてみましたが、いずれにしてもやべえヤツには変わりなさそうなので、同僚が無下にしたのは正しいということになりました。
以上、よろしくお願いいたします。