昭和の「ZOOM爆撃」でお笑いBIG3と成った神(しん)の話

妻が仕事でZOOMというオンラインミーティングツールを使用する可能性があるらしく、「ZOOM爆撃」を懸念していました。

IT系の仕事をしているにも関わらず、「ZOOM爆撃」を知らないわたくし。「『ZOOM爆撃』とは?」と、妻に尋ねてみました。
妻いわく、悪意をもった人間が以下のように振る舞い、ミーティングの場を混乱させることとのこと。

  • 招待していないのに勝手に仮想のミーティングルームに入ってくる
  • 共有している会議資料にいたずら書きをする
  • 参加者のアイコンをunkoとかに書き換える
  • ひとしきりやりたい放題やったら出ていく

なんかそれ、タモリの芸能界デビューエピソードじゃん。

わたくしたちタモリ真理教の信徒には有名なエピソードだと思うのですが、妻を含め、このエピソードをご存知ないかたにご説明します。

タモリさんがまだ九州で会社勤めをしていた際、たまたま泊まっていたホテルの一室で山下洋輔バンドが「デタラメな歌舞伎」をやって遊んでいることに気づきました。
タモリさんは「楽しそうだな」と思いその一室に闖入。バンドの一員がその非礼をデタラメな外国語で指摘したところ、タモリさんがデタラメな外国語で「もっと上手」に言い返し、やがてギャグの応酬となりました。
朝までのどんちゃん騒ぎでその日はお開きとなり、バンドのメンバーが東京に帰ったあと「九州にやべえ(おもしろい)ヤツがいる」という話になり、やがて赤塚不二夫先生に才能を見出されたタモリさんは芸能界デビューしたのでした。
このあたりのエピソードは以前ご紹介した名著『タモリ学 タモリにとって「タモリ」とは何か?』および『タモリと戦後ニッポン』に詳しいので、ご興味があればどうぞ。

令和のタモリさんになりたいやべえヤツが「ZOOM爆撃」を繰り出しているのかと思えば納得。
ただ、山下洋輔バンドみたいに楽しいミーティングではなく、「コアコンピタンスの獲得」とか「シナジー効果の発揮」とかそういうのばっかりだと思うので、ミーティングに闖入し参加者のアイコンをunkoに書き換えても「キミ、おもしろいねえ!」にはならないでしょう。

そう考えると、タモリさんは昭和の「ZOOM爆撃」を決行してお笑いBIG3と成ったわけですから、もっているものの圧倒的な差、ひいては神(しん)なのだなあと思います。

今夜は最高!
今夜は最高!

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