落武者みたいな風貌の髪の長いおじいさん寄りのおじさんから非形式的誤謬を学ぶ

個別に存在している複数の事象に共通する条件がみられる場合、心理的または心情的にそれらの事象を連関して考慮してしまうことがあります。
「個別に存在している」ことが明白である場合、認知バイアスを除去し連関を無視する必要があり、この考慮はすなわち非形式的誤謬といえるでしょう。

たとえば、「コインの裏表」
一般的にコインを無作為に放り投げた場合、1/2の確率で「裏」が出ますし、1/2の確率で「表」が出ます。これは、放り投げるたびに1/2ずつになります。ここまでが論理です。
ところがわたくしたちは、1回目に「裏」が出た場合、心情的に2回目は「表」が出るだろうと思い込みます。繰り返しになりますが、「放り投げるたび」に1/2になるワケですから、1回目とか2回目とかは連関しないのです。
この錯覚を、ある平面に複数の点をランダムに打つと「偶然」集団化することにちなみ、「クラスター錯覚」というそうです。

ほかには、「平均年収と犯罪発生件数」
都市を自治体という区域で分割し、その自治体ごとに「住民の平均年収」と「地域の犯罪発生件数」を集計すると、「平均年収」と「犯罪発生件数」に負の相関が生じることがあります。
これを、わたくしたちは心情的に「貧乏な住民が多いから治安が悪くなる(またはその逆)」という「因果関係」に錯覚してしまいがちです。つまりまあ、足立区のことなんですが。
これらはあくまで「疑似相関」であり、因果関係ではありません。そのふたつを結びつける明確な論理というものはないのです。事実、東京23区であれば犯罪発生件数は新宿区や世田谷区、大田区がワースト3位(2019年)ですから、区の人口や面積、あるいは巨大な繁華街を有するかどうかといった条件に連関がありそうに見えます。

落武者みたいな風貌の髪の長いおじいさん寄りのおじさんは、いつも同じドアから電車に乗ってくるのですが、ある日そのおじさんではなく同じ髪型のキレイな女性が同じドアから乗ってきて「あっ、ユメが叶ってよかったね!」と思ってしまったのですが、つまりこれが非形式的誤謬だというお話でした。

頭頂部はさすがにここまでイッてない
頭頂部はさすがにここまでイッてない

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です