本当に面白い内容の本でした。
ただ買い物をしたりごはんを食べたりするベンリな場所であるショッピングモール「から」考えることの面白さ。どんなものでも、そこから考えること、見えること、わかること、考察を巡らすって面白いなあと思いました。これ、人生を楽しむ本質な気がします。
ショッピングモールとはその内側に快適な世界を持っていて、外側からの景観を意識していないところのいわゆる「異質さ」は、宇宙船やスペースコロニーと同じであるという論説には目からウロコでしたし、都市(東京)もそう言えるんだな、と。そしてその「都市」としての東京にはストリートがない、でもショッピングモールはストリートからできている。どちらが都市(街)として成立しているか…、もう本当にこの本は面白い。
イベントスペースでの対談を本にしてあるのですが、ショッピングモールだけでなく、建築や都市計画、はたまた宗教や樹木にまで話が飛躍し、しかもそれが繋がっていく感じが読んでいて気持ちよかったです。
この本を読んでからは、ショッピングモールをふつうに使うことはできません。「これこそがきっと、人類の理想の世界なんだ…」と思ってしまうことでしょう。