牛乳以外は「牛乳」と名乗れないのはご存知でしょうか。
商品名に「牛乳」と使用してよいのは、生乳100%かつ成分が調整されていないもの、つまり「種類別牛乳」のみとなります。ご参考。
10年以上前に法律が改正されこのようになっているそうで、「コーヒー牛乳」「レモン牛乳」等の商品名はそのまま名乗れなくなったため、その名を「コーヒー」「レモン」等と変えています。「レモン」て。
さて、わたくしが気になっているのは、「種類別牛乳」ではない、いわゆる「牛乳もどき」の商品名です。「牛乳は名乗れないけど、それを匂わせている」のがたまりません。
以下、抜粋しますので、この興奮を共有したいです。伝われ!
まずは、明治乳業から明治 牧場ごころ。
「牛乳」って言ってそうで、具体的には何も言ってない感がいいですね…。
続いて、森永乳業からまきばの空。
これも同様に、「牛乳」って言いたくて仕方ない感じが出てます。レイザーラモンRGが「あるある」を言いたい以上に「牛乳」って言いたい。
さあさあ、雪印メグミルクからは特濃。
エポックメイキングな名称ですね。「特に濃い」という概念です。でも「牛乳っぽいヤツだな」と思えるのがすごい。
大手3社がおわり、タカナシ乳業からは北海道さわやか家族。
「北海道さわやか家族」と聞いて「牛乳っぽいヤツだな」と思えるかどうか。「北海道」は地名だから解るけど、「さわやか家族」ってなんだ。サザエさん一家もさわやかとは言えないし。こちらはパッケージの妙がでますね。
それからそれから、小岩井乳業からは小岩井まきば。
「まきば」系は強いですね。牛乳っぽいもののデファクトスタンダードと言えます。乳牛以外の牧場のなかまたちの、肩身の狭さよ。
最後に、協同乳業(メイトー)からは大地と酪農の恵み。
「まきば」とは距離を置きつつも、言いたいことはだいたい同じ。でも本当は「牛乳」って言いたい、そんな想いが伝わります。それにしても、「酪農」という単語を商品名にもってきますか。
わたくしは目に見えない法律が可視化されてしまっているもの(建築物なんか最たるものですね)が大好物なので、「牛乳って言いたいけど法律上言えないからそれっぽく言ってるのよ」という、この「牛乳もどき」の商品名を見ると興奮します。こうして並べて見ると、興奮が加速していきます。
この興奮、伝わっていますでしょうか。伝わってませんか。伝わってますよね。
これ系のものは他の食品類にもありそうなので、見つけ次第またご報告いたします。