結婚して、今日で16年くらいになった。
「妻はおもしろいと思うポイントが自分と一致している人間でよかった」とつねづね思う。
ここでいう「よかった」というのは、「ハッピーだった」というより「ラッキーだった」という意味に近い。「妻はおもしろいと思うポイントが自分と一致する人間で、マジで助かった」という感覚。
妻とどこかにむかって歩いているときのこと。
交差点を渡る前で信号が赤になり、立ち止まる。ほどなく右から走ってきたクルマが、目の前を横切る。ボンネットのど真ん中に初心者マークを貼って。
これで、妻とわたくしは同時に笑った。これで、だ。
「いまのクルマちょっとおもしろかったね」
「あんな真ん中に初心者マーク貼るかね」
ここの感覚が一致していて本当に助かっている。
これ、おもしろくないですか? おもしろいですよね? おもしろい。
笑いの感覚が一致していなかったら、たぶんふつうに離婚していたんでしょうね。