「概念の下克上」というのがあると思いますし、それが成立した背景が気になります。
たとえば「ドーナツ型」。
ドーナツが生まれる前から幾何学模様の「ドーナツ型」はあったと思います。しかしドーナツは「2つの同心円」を「ドーナツ型」と我が物にしてしまったのです。
これってすごくないですか?
ドーナツのカタチは2つの同心円を模して作っているのに、もはや逆に2つの同心円を「ドーナツ型」と呼ばせているのです。
ほかには「石けんの香り」。
あまり詳しくはないのですが、おそらく世界で初めて作られた石けんには香りはなかったハズです。古来の石けんは油から作られているので、香りがあるとすれば油分によるものでしょう。
しかし「石けんの香り」といえば、あの爽やかな香りを想像すると思います。
これもすごくないですか?
別の何かの香りを石けんに添加し、その香りを「石けんの香り」と呼ばせている。「石けんの香り」という芳香剤さえある。油分臭のみだった石けん側にしてみれば、「どういうこと?」と困惑していることでしょう。
さらにいうと、一周回って香料なしの「無添加石けん」というのもあるようなので、石けん側の困惑は加速しているでしょう。
今回気になった「ドーナツ型」「石けんの香り」の他にも、概念の下克上はありそうですね。
今宵も特にオチはなく筆を置きます。