まだ入院していません。
爆心地(*)が「終了」してしまったため、そこに直接注入する軟膏を処方されました。痔の治療のために入院するまでのあいだ、これを注入してから眠る日々です。
軟膏はリビングダイニングの物入れに格納しており、眠りに就く直前に取り出しその場で注入するのが常です。
すでに眠りに就いている妻の迷惑にならないよう、物入れの直上にあるダウンライトだけを点灯させ、注入します。
暗闇に走る一筋のダウンライト。
わたくしの尻を無感情に照らすダウンライト。
ダウンライトのもとダイレクト・イン・坐・爆心地。
毎夜毎夜、ひとりで変態的な行動を繰り広げていたわたくしでしたが、注入するタイミングなのに妻がまだリビングでくつろいでいたことがありました。
これはいけません。
軟膏を注入する爆心地側を妻に向けるか、爆心地じゃないGUSOKU側を妻に向けるか、はたまたそのハーフ&ハーフか。いずれの選択肢も、くつろいでいる妻にはオススメできません。もう早く寝たまえよ。
妻に確認をとります。
「これから軟膏を注入するのだけど、軟膏を注入する側をそっちに魅せることになるけど、よいかね」
「やめて」
「となると、前側を魅せることになるけど…、あっ、やっぱり横向きにしたほうがいい…」
「別の部屋でやってよ」
別の部屋!
その発想はありませんでしたが、別の部屋は寒いので、要求を無視して同じリビングのちょっと離れたところで妻の視界に入らないように注入しました。
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(*)爆心地…包み隠さずいうと、肛門のこと。