【入院5日目 退院】
術後の経過が順調であれば、いよいよ今日は退院です。
朝、最後の入院食を食べに食堂へ向かいます。
痔の入院手術における食事内容は、思っていたよりふつうでした。さすがに手術当日の昼と夜は絶食でしたが、そのとき以外の食事は、職場の社食で食べるような内容と同じようなものでした。
他の入院患者と食堂で食事を摂るのですが、大きな病院ではないので、一堂に会すのはトータルで5〜6人です。「米が硬い」「味が薄い」「またこのメシかよ」「カレーなんか食っていいのかよ」などと文句ばっかり言ってた知らんジジイと同じ釜の飯を食うのも、これが最後です。
朝食と診察を終え、退院許可が出ました。
医師からは次のように言われました。
「キミは痔核が複数箇所あって、むかしだったら2週間入院なんだから、退院してもムリしないように。痛みは術後1週間くらいは続くかな」
「先が思いやられるな」と、ここまで強く思ったことはありません。
手術した日の夜からいままでの約3日間、休みなく続いている痛みにはだいぶ辟易しているのですが、まだあと4日間も続くのか…。あと尻系でムリな動きってなんだ…? イスとりゲーム…?
いずれにしても、先が思いやられます。
また、入院の手引きには次のように書いてあります。
「術後2週間は、大出血の可能性があります。排便時にお茶碗一杯程度の出血や、排尿時に便意を感じていないのに、肛門から出血することがあります。」
どういうこと?
排便時に大出血してしまうのはシステム的に理解できるけど、放尿時も爆心地(*)から血が出ちゃうの? バグりすぎじゃない? しかも術後2週間ものあいだ可能性を有すの?
昨日感じた麻酔の副作用かもしれない頭痛も再びあらわれ(脳圧の低下を懸念)、不安が加速していきます。
もろもろの不安を抱えつつも退院し、久しぶりに自宅へ帰りました。
帰るなり、尻の痛みがこらえきれずにすぐにお風呂に入りました。お風呂で生活したい。やはり、自宅のお風呂のほうが落ち着きますね。
それにしても痛い、痛い。
何をしていても痛い、痛い。
痛みがなかったころのカラダの感覚はすっかり忘れ、心はすさんでいきます。
わたくしの爆心地は、本当に「復興」していくのでしょうか。
「これ、手術なんか受けないほうがラクだったな…」
爆心地の痛みと頭痛にさいなまれ、眠れない夜は更けていきました。
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(*)爆心地…包み隠さずいうと、肛門のこと