わたくしはかねてから「世の中のことって、だいたいつきつめれば“3”パターンに集約できるのでは?」「業界のシェアって、だいたい大手“3”社で寡占しているのでは?」と、“3”は気になっていたので、この本を見つけて手に取った次第です。
何かを考えたりするときは、“3”を意識するとうまくいくよ、といった思考法が、いろいろな事例やシチュエーションとともに書いてありました。ふむふむ、なるほど〜の連続。
企画を考えたりするときもひとつのテーマに対し「本命」「対抗」「大穴」的に3つ考えたり、雑談するときも「好きな映画を3つあげるとすれば?」とすれば、説得力と広がりが得られる、と(だいたい3つ目に本音と面白さが出るとか)。論文を書くときも、3章をさらに3分割して…と構成するとよいようです。
そのほか、読書するときも、「特に大事なところ」「まあまあ大事なところ」「自分は面白く感じたところ」の3パターンに対し、3色ボールペンで線を引く、といった具体的な実践法も書かれていました。
3の考え方は、婚活とかにも応用できるそうです。そこまでできるのか。
ただ、「なぜ“3”なのか」についての論理的な言及はなかったかと思います。あくまで“3”で、それを前提にして考えるのが大切。「3だとなんとなくピッタリハマる」「三段跳びって気持ちいい」といった、感覚的な紹介に終始していました。そのメソッドに説得力を持たせるならば、3であることの理由が読みたかったです。たぶん、論理や科学に基づいた何かがあるハズ。
あと、前述した3色ボールペンについても、実践法は書いてあってもどうしたら3パターンにうまくわけることができるか、といった手法については書いてなかった。読者はそこが読みたいのではないでしょうか(わたくしはばかなので、読書していて「ここは大事だな」ってすぐに判断してボールペンで線を引くなんて芸当はできません)。
とはいえ、“3”を中心に考えるというアイデアは面白いし、日常生活においても実践しやすいと思うので(その科学的な裏付けはさておき)、興味のある方は是非お読みください。読みやすくて面白かったです。